2023年の新語・流行語大賞に30語がノミネートされている.岡田監督の「アレ(A.R.E.)」も入っているが,相変わらず知らない言葉も多い.その中にある「蛙化現象」って何だべ?と思って調べてみる.人への好意が急に冷めて嫌悪に変ることを若者が表現する言葉のようだが,どうも納得がいかない. 由来は,心理学者の藤沢伸介氏が日本心理学会で「女子が恋愛過程で遭遇する蛙化現象」という発表をしたことによるようだ.好きと生理的嫌悪の両極を振切れる激しい急変をグリム童話の「蛙の王様」になぞらえたようだ.そんな話は知らないな?という訳で調べることになった.要約すると以下の通りである. 金の鞠を池に落としてしまった王女は,「一緒に夕食を食べてベッドで寝かせてくれたら」ひらってあげると蛙が出した条件を渋々受入れる.しかし,王女はかえるが嫌いなので鞠を受け取ると逃げてしまう.蛙は追いかけて王様に直訴,王様は王女に約束を守るよう命じる.王女は説得されるが,やはり蛙が嫌いなので壁に投げつけると,蛙は優しく美しい王子様に変る.王女は王子様と馬車に乗って王子様の国へついて行く. 嫌悪⇒好意と好意⇒嫌悪の順は逆だが,確かに正負の両極を振切るたとえ話としては良いのだろう.しかし,約束を守らぬ王女も王女だが,とんでもなく厚かましい条件を出す蛙も蛙だと思った次第である.童話なので,約束は守らねばならぬと子供に教えるのが目的と思われるが,ここは契約社会の西洋らしい話である.一方の蛙だが,西洋とは,この蛙みたいなやつが実際にいる社会なのかもしれない.中国も西洋も似たようなところ,弱みに付け込んで法外な条件を突きつける.これが世界標準と思った方が良いのだろう.日本の童話にはこういうキャラは登場しそうにない.まずは親切に無条件で鞠を拾ってあげるだろう.そして思いがけない幸福を手にするというのが常套的なパターンである.逆に,この蛙が登場するとすれば,欲深さの戒めとして罰を受ける展開になる筈である.そんな蛙が王子様になったところで騙されているんじゃないか?と王女に助言してあげたいところだ.そんなことが気になったという辺り,やはり日本人的発想だったのだろうと,昨今の世界情勢を考える.