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11月, 2025の投稿を表示しています

文庫本:西洋の敗北と日本の選択

振休の今日は,午前中に野暮用を済ませ,10日ほど前に読み終えた文庫本を振返る.西洋の敗北とは,欧州が支援するウクライナはロシアに必ず負けるという話である.ロシアは継戦可能な兵器生産能力を既に備え,欧米はそれが追い付かないという.つまり,ロシアは勝つまで戦争を続けることができるので,停戦などする気もないという訳だ. 米国の覇権は終焉を迎え,米国が日本や台湾を守ることもない.日本は核武装して自立すべきだと,著者はいう.危険なのは,むしろ米国とイスラエルで,日本がこのまま米国追従を続けると,西洋と共に敗北するというのが大筋の主旨である.英米の核家族と日独の直系家族という社会文化の違いから,こういった論旨を導き出す辺りが独特の視点である.

議員定数削減のインパクト

国会議員の定数削減という議論が出ている.身を切る改革が必要とのことだ.しかし,定数を10%ぐらい削減したところで,大勢に影響ない気もする.無論,個々の議員や少数政党にしてみれば死活問題なのかもしれないが,政局に影響が及ぶほどの変化が生じるのだろうか? そもそも,現行の選挙制度は衆議院・参議院とも比例代表選挙と選挙区選挙の2本立てである.構成が似た議院が二つあることで,参議院不要論を唱える向きもある.個人的には,衆議院は民意を代表する比例代表選挙のみ,参議院は無所属でも立候補できる地域(都道府県等)代表で構成する選挙区選挙のみにするのが良いのではないかと考える.そこで,衆・参の直近3回の選挙結果から,衆議院の比例代表選挙のみ,参議院の選挙区選挙のみを抜き出して,議院の構成がどうなるか試算してみた訳だ. 参議院は選挙区選挙のみにすると定数が150ほど,衆議院は比例代表選挙のみにすると175ほどになる.諸外国の例と比較すると,衆議院の定数175は少なすぎるかもしれないので,仮に2倍すれば350ほどになる.これぐらいまで削減すれば,少しは身を切った感が出るだろうか?最初の表に示す衆議院の議員数は,左列の数が実際の選挙での当選数,右列がその2倍の数である.尤も比例代表選挙で採用するドント式だと,定数を2倍しても当選者数は丁度2倍になるとは限らず,ブロックごとの定数も2倍とは限らないのだが,その影響は無視して表には2倍の数を表記している.参議院の議員数は,左列が実際の選挙での当選数,右列は前回の選挙の当選者数と合算した数を示している. 結果を見ると,与野党の議員数の構成に,政権の構成が変わるほどの影響はないようだ.政権与党の議員数をオレンジ色,今回与党から離脱した公明党の直近の議員数を黄色,のハッチを掛けている.現行の両院で,少数与党が国民民主党か公明党の協力がないと多数派にならない状況も概ね同じである.30年ほど前の選挙制度改革で,政権交代可能な制度と小選挙区制を導入した訳だが,結局は比例代表制との併用になったこともあり,現在は逆に多党化が進んでいる.一方で,特に自民党のような大政党では執行部の権限が肥大化するなど,小選挙区制の弊害も目立つようだ.いっそ中選挙区制に戻せばどうかとの議論も耳にする訳だ. ちなみに,比例代表選挙の方法にもいろいろあって,拘束名簿式とはせず,参議院...

文庫本:新・古代史

3世紀の魏志倭人伝に登場する卑弥呼の邪馬台国と5世紀以降のヤマト政権の関係,そして日本という国家がどのようにして成ったのか,古代史の中心的な謎に迫る最新の研究を取材したものだ.そうは言っても,無理に結論付けることはせず,最近に判明した事実を淡々と書き連ねた考察という印象である. 邪馬台国は九州北部にあり,交戦していた狗奴国がヤマト政権になったという漠然としたイメージを持っていた.しかし読むうちに,箸墓古墳こそ卑弥呼が埋葬されたのではないかとの印象に傾く.そうなると,狗奴国は東国の勢力ということにならざるを得ない.ヤマト政権の支配が及ぶ前の関東~東北が日高見国と呼ばれたという話に繋がる訳だ. いずれにせよ,空白の4世紀~5世紀の東アジア情勢を眺めつつ,日本発祥の前方後円墳が加耶や百済で建造されていたこと,広開土王碑に記される高句麗勢力との交戦,日本には無かった馬や騎馬文化の輸入と育成など,5世紀辺りの日本の印象を少しばかり具体化した気になる.しかし,また別の書籍を読むと,そんな印象も変わる可能性がある.忘れられた真実を科学的に解き明かす,そんな貴重な営みが継続的に行われていることにホッとする.