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9月, 2023の投稿を表示しています

文庫本:古代史のテクノロジー

手元の文庫本も読み尽くしたので,新大阪駅の本屋で1冊入手する.縄文時代の技術でどうやって15mの一本柱を建てるのか?羽曳野から堺にかけての古墳群は大和川に連なる運河を浚渫した土砂を盛上げた跡ではないか?など,文系視点の歴史とは違った古代の姿が見えて来る気がする.土木屋さんの書く本は技術者目線の文明視点で結構面白い.退職後の時間をこういった研究と執筆で過ごせるのは幸せだろうなと想像する.

大学図鑑

こんなマップがあったのだが,プロットの根拠は不明ながら眺めてみると分らんでもない.5000人超の現役生やOBOGの声を聞いて作ったというので,机上の創作という訳でもなさそうだ.私大Aグループである. 総じて文系より理系の方が勉強する(せざるを得ない)のは確かだろう.だけど,慶應SFCがいちばん右よりなのは知らなかった.個人的には印象が薄い上智が早慶よりもセンター寄りなのでやはりイメージが掴めない.ここでは早慶上理にフォーカスしているとのことだが,東大や東工大の実態はおそらくもっと右寄りなんじゃなかろうか?京大は極端な右寄りから左寄りまで幅広く分布していそうだ.私大Bグループでは中央がいちばん右寄りだと思っていたが,青学や学習院がセンターラインより右に入っているのは意外だ.まぁこれは全く勝手な印象に過ぎない.我が母校の文系は間違いなく左の方,理系でもセンターライン辺りだったような気がする.あの頃にもっと勉強しておけば良かったと,今更ながらに思うところ.この図から学ぶべきは,そんな反省かもしれない.そう思うと,多少は客観的な視点に立つ資料だろうか? ついでながら,この際,他の大学カテゴリの図も掲載しておく.私大Bグループ(GMARCH),関西私大(関関同立・産近甲龍),私大Cグループ(成成明学獨国武),私大Dグループ(日東駒専),私大Eグループ(大東亜帝国)と続く.

文庫本:世界を動かした日本の銀

石見銀山のことを書いた本だと思って読んでみたのだが,それはそうでも結構広がりがあった.先ずは昔々の人口だけでなくGDPも推計できるということである.日本の1人当りGDPはずっと中国よりも低く,世界でも貧しい部類の国だったようだ.中国を抜いて世界の先進国に追いつくきっかけを作ったのが石見銀山で産出した銀だという.江戸時代に貨幣経済が発達していたおかげで,明治期の国力の発展が成ったとの説明である. 石見銀山という地味な遺構が世界遺産に登録叶ったのは,昔からの建物や坑道の保存もさることながら,江戸期から植林に励んで自然環境の保全を継続して来た実績所以だという.世界中の鉱山跡地は禿山なのに対して,継続的な植林のおかげで植生の大きな変化は免れたようである.ここに普遍的価値を見出し,イコモスの芳しくない評価を覆した審査の裏で奮闘した外交官の証言が印象に残った.

千葉にある東京

 千葉にあるのに東京と名乗るものが多いとはよく聞くところである.東京ディズニーランド,新東京国際空港(成田空港),東京ドイツ村がお馴染みだが,他にもいろいろある.この際徹底的に集めてみることにした. ■比較的知られているもの? ・東京ディズニーリゾート(浦安) ・新東京国際空港(成田) ・東京ドイツ村(袖ケ浦) ・新東京サーキット(市原,元は千葉カートランド) ・東京レーダー(柏) ・東京サバゲパーク(印西) ・新東京病院(柏) ・サンルートプラザ東京(浦安,ホテル) ・東京ディズニーランドホテル(浦安) ・〇〇東京公演(幕張メッセ,千葉・美浜) ベスト3以外は率直なところ知らなかった.幕張メッセで開催する東京公演や展示会の〇〇東京は,そう言われるとあるあるの部類だ. ■東京ベイを名乗るホテル ・シェラトン・グランド・トーキョーベイ(浦安) ・ヒルトン東京ベイ(浦安) ・ホテルオークラ東京ベイ(浦安,元第一ホテル東京ベイ) ・グランドニッコー東京ベイ舞浜(浦安,元東京ベイ舞浜ホテルクラブリゾート,東京ベイホテル東急) ・浦安ブライトンホテル東京ベイ(浦安) ・オリエンタルホテル東京ベイ(浦安) ・ホテルエミオン東京ベイ(浦安) ・東京ベイ舞浜ホテル(浦安,元サンルートプラザ東京) ・三井ガーデンホテルプラナ東京ベイ(浦安) ・東京ベイ東急ホテル(浦安) ・コンフォートスイーツ東京ベイ(浦安) ・ラ・ジェント・ホテル・東京ベイ(浦安) ・変なホテル舞浜東京ベイ(浦安) ・イビススタイルズ東京ベイ(浦安) ・ハイアットリージェンシー東京ベイ(浦安) ・アパホテル&リゾート〔東京ベイ幕張〕(千葉・美浜) ・東京ベイプラザホテル(木更津) 大半が舞浜や浦安市内にある東京ディズニーリゾート関連のホテルだが,幕張や木更津にもある.この他,江東区など都内の沿岸部にも東京ベイを名乗るホテルが結構ある.名前を変更したホテルもあり,もしかしたら重複があるかもしれない. ■ホテル以外で東京ベイを名乗るもの ・ららぽーとTOKYO-BAY(船橋) ・IKEA Tokyo-Bay(船橋) ・TKP東京ベイ幕張ホール(千葉・美浜,宴会場) ・東京ベイ信用金庫(市川に本店) ・ドゥカティ東京ベイ(市川,バイク店) ・東京ベイ・リビング(浦安,不動産) ・東京ベイシティ交通(浦安,バス) ...

文庫本:教養としての建築入門

図書館で引き取ってカフェに入店する.今更ながらに「教養としての建築入門」という建築の入門書を紐解いて読み始める.著者は大手の設計事務所に勤めたあと,信州大の教授を経て今は理科大の教授らしい.第1章のタイトルは建築の歴史である.大そうな題目だが,記事はたったの12ページだ.一瞬で読み終えるが,日本建築史と西洋建築史と近代建築史をさらっと要約し終えてしまう.うーん,こういうまとめもあるのだと畏れいる.そして,5日ほどかかって読み終える.全体としては, 第1部:建築の見方, 第2部:建築の作り方, 第3部:建築の活かし方, の3部構成である.第1部はいわゆる建築論で学生時代の授業を思い出す.第2部は長年の勤めで見て来たことである.第3部は建築と現代社会の関係を論じた現代建築論といえば良いだろうか?読むうちに政治が建築を利用した好例としてファシズム建築という一節があり,そういえばそんなのもあったなと思い出す.以下は本の紹介という訳でもないが,記録しておく. あらためて振り返ってみると,ファシズム建築はムッソリーニのイタリアに始まるようだ.装飾を取り払い合理的な実用工業製品のような作りの近代建築に,民族の伝統的なデザイン要素を合体させているのが特徴らしい.イタリア文明宮はその代表例だという.イタリアらしいカッコよさはさすがだと思うが,今もファッションブランドのFENDIの本社として使われているようだ. イタリア文明宮,1937-1938,エルンスト・ラ・パドゥーラ他 ファシズムの代表はやはりナチス・ドイツである.ナチスの党大会を行ったニュルンベルクのツェッペリン広場が代表例のひとつだという.写真を観ると記憶の底に沈んでいたイメージが蘇った.人間を群衆化して鼓舞するには,こういう広場が好都合のようだ.ただ機械的に繰り返すパターンはイタリア文明宮に通じるところがある.建築家の作品というよりは,ヒトラーが作ったという方がしっくりくる. ニュルンベルク・ツェッペリン広場,1938,アルベルト・シュペーア この頃,独伊と同盟国だった日本にも,ファシズム建築があったようだ.旧帝室博物館で,自分も東京国立博物館になってから訪れているが,建物の記憶は全くない.西洋風の外壁に神社の屋根を載せたと言えば腹落ちするが,素直に美しいと思えない不思議な雰囲気を醸し出している. 帝室博物館(現:東京国立...

文庫本:日本人が知らない近現代の虚妄

バルト3国では,ソ連・ロシアの圧政を非難すると同時に,ソ連の占領を黙認した米英も強く非難しているそうだ.歴史博物館でもそんな展示をしているという.ブッシュ元大統領が訪問した際,当時のルーズベルト政権の政策を過ちだと認めて謝罪したらしい.それほど強い非難だったのだ.新たな秘密書類の開示もあって,先の大戦の戦後処理も歴史の評価を受けるべき時に来ているのかもしれない.ここは文系の学問の出番到来、理系の技術以上に大切な問題である. リッツキドニー文書,ヴェノナ文書,米国共産党調書,これらはソ連崩壊後にロシア政府や米国政府から公表された第二次大戦前後の頃の秘密文書である.ソ連共産党は米国や日本に多数のスパイを送込み,互いに戦争の道を歩むよう工作した.ルーズベルト政権は事実上米国共産党に牛耳られていたようだ.日米両国は,戦わずに済むよう外交交渉を進めていたのだが,例の無茶苦茶なハルノートもソ連共産党の指示通りに書かれたようだ.当時の日本政府は工作活動を把握していたが,スパイの暗躍で,冷静な意見は勇ましくも感情的な世論にかき消されてしまったという.当時の米国は諜報活動が低調だったらしい. 太平洋戦争を長引かせたのも,ソ連共産党にそそのかされたルーズベルト政権が,飲めない要求ばかり日本政府に突きつけたからだという.ルーズベルトが急死してトゥルーマンに交代しなかったら本土決戦になっていたかもしれない...はぁそうなんだ.ソ連の言いなりのヤルタ協定のせいで,東欧がソ連諸国を占領し,中国には共産党政権が誕生した.多くの米国人が中国から命からがら逃げ帰ったそうだ.共産党に騙されたと知った米国は,強い日本無しで防共がなし得ないと政策を転換した.秘密文書を紐解くと,こんな真実が浮かび上がる. その迷走の影響は今日にも及んでいる.米国には当時から強い日本を歓迎する勢力と弱い日本を歓迎する勢力があるそうだ.リメンバーパールハーバーも,日米が重要な同盟国となった今は,国防の重要さを説く言葉になったという.様々な言説やプロパガンダを冷静に捉え,真実と国益を追求する努力が求められる.現代史を評価し向き合うことは,国の針路を見誤らないために必要である.かねて理不尽だと思っていた東京裁判も,その評価を変えることが出来るかもしれないと,僅かな望みが見える気がする.歴史の評価にはその時代が映るものだとは,学生時...