プログレッシブロックという言葉を最近聞かなくなったように思う.考えてみれば昭和の頃の音楽なのかもしれない.何がプログレッシブだったのか?
米国南部から貿易港のリバプールなどを通じて英国に流入した黒人音楽があった.ブルースにロックンロール,そういう流行歌をベースに英国で進化したのがブリティッシュロックである.ビートルズに代表されるビッグネームの世界的ヒット曲が米国に逆流入し,ロンドンは世界のロックシーンを牽引する街になった.1970年代に入ってもレッドツェッペリンなどのハードロックバンドはブルースに根差した音楽をやっていた.
それに対して,ヨーロッパ文化に根差したロックを目指したのがプログレと呼ばれるバンドの一団である.欧州で発達したクラシック音楽だったり,当時流行りの前衛芸術思潮だったり,西洋哲学や西洋の神話だったり,時には神学に根差す科学思想だったり,様々なヨーロッパの伝統文化とのコラボレーションに挑戦していった.そんな試行錯誤をするうちに,黒人音楽とヨーロッパ文化は自然に混ざり溶け合っていったのだろう.
あれから半世紀を経て既に他界したプレイヤーも少なくない.当時の貴重な取組みの一端を辿りながら,あらためて味わってみたい.40年前にもなる我が受験勉強の友だったプログレを聞いてみると,一神教文化圏にも異文化交流の成果があったのだと,今更ながらに気づくところがある.
ジャイルズ・ジャイルズ&フリップ:Suite No.1
ELP:展覧会の絵
ジェネシス:Foxtrot
ルネッサンス:燃ゆる灰

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