地球温暖化を止めるには大気中の二酸化炭素濃度を低くせねばならない.現在の大気中濃度は約400ppmだそうだが産業革命前は280ppmだったそうだ.2050年にその水準まで下げるには,ざっと30年で120ppm下げる必要がある.CO2の重量に換算すると9200億トンに相当する.そうすれば,毎年約300億トンを平均的に除去せねばならない.しかし,少し古い数字だが毎年約230億トンの二酸化炭素を発生させているのに対して,地球が年間に吸収できるのは110億トン(陸地50億トン+海洋60億トン)だという.今のペースが変らない場合は毎年の増分120億トンも除去せねばならない.かくして230+120=約350億トンを毎年着実に除去せねばならない.
大気中の二酸化炭素を直接回収するDAC(Direct Air Capture)という技術がある.仮にこの技術が直ちに使えるとして,上記の毎年の除去量が現実的なのか否か検討してみることにした.尤も綿密な話ではない.国立研究開発法人の低炭素社会戦略センターの令和2年の資料によれば,現段階の国内ベースのDACのコストは35.4円/kg(うち58%は設備対応固定費)なのだそうだが,石炭火力排ガスから回収するには78円/kgになるらしい.ここでは仮に前者で試算してみると,1億トンの処理費用が3.54兆円になるので350億トンだと約1200兆円,世界の年間総GDPの約12.4%に相当する.78円/kgで試算すると27.4%となる.そう聞けば実現は可能な気もするが,世界の年間防衛費総額が220兆円(GDPの約2%)なので,その約6倍の金額となる.いやいや,とても大変だ.その上,吸収した二酸化炭素はどこかへ貯蔵せねばならないが,その費用は別途必要である.できるかな??未だ世界の総GDPの何分の一に留まったのはせめてもの救いだろうか?
自分のような素人が考えるより先に専門家がとっくに考えている筈だが,とても大変そうだという感覚は何となく解った.

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