帰宅してひとり,晩飯/晩酌を始めて小一時間経ったところで倅が風呂から出てきた.曰く「ロックのブリティッシュとかウェストコーストとかイーストコーストの区別が判らない」という.これはいくら言葉で語っても聞き分けてみないと仕方がない.これはモーツァルトでこれはベートーベン,シャブリエやラヴェルとも違うし,バッハとも違う…そんな感覚と同じである.そうは言っても仕方がない,伊達に45年もそんな音楽を聞き続けてきた訳でもない?まぁ訳でもあるかもしれないが,解説を試みた.所詮は自前の経験の範疇に過ぎないが,修正・追記があればご指摘頂ければ幸いである.
■ロックンロール
元々は洋上船舶の縦揺れ(Rocking)と横揺れ(rolling)が組み合わさった言葉である.主にブルースやR&B(リズム&ブルース)といった黒人音楽を起源とし,白人系の音楽であるバラードやフラメンコギター,カントリー等の影響も受けている.1950年代,南部メンフィスで育ったエルビス・プレスリー(白人)が歌った“Rock around the Clock”がロックンロールの始まりと聞いた記憶があるのだが,これはビル・ヘイリー(白人)作曲らしい.他にもカール・パーキンス(白人),チャック・ベリー(黒人),リトル・リチャード(黒人)等の歌手がヒットし,ロックンロールのジャンルが確立された.
■ブリティッシュ・ロック
1950年代から1960年頃にかけて,英国の貿易港リバプールには米国のブラックミュージックやロックンロールが入ってきた.当時は英国の行政規制を受けない船上放送局がそのような音楽を放送したようで,そんな音楽番組を再現したのがThe Whoの“Sell Out”というアルバムである.米国企業のコマーシャルまで,それっぽく挿入されている.
ビートルズはレコードデビューの前にハンブルクで演奏活動を始めているが,それも貿易港ネットワークを辿ってのことだったと推察される.1962年にビートルズがレコードレビューして以降は英国発の音楽が世界を席巻するようになる.ローリング・ストーンズやThe Who等が続くが,やがて米国西海岸発祥のサイケデリックを経て,欧州の伝統音楽の流れに寄ったプログレッシブ・ロックや原点のブルースロックに寄ったハード・ロックなど,分科が進むとともに其々発展していく.プログレはイエス,キング・クリムゾン,ピンク・フロイドの3大バンドのほか,ルネッサンスやジェネシス等が続く.
ブルースロック~ハードロックはヤードバーズ,レッド・ツェッペリン,ディープ・パープル等に代表される.1970年代後半にはクイーンも登場した.
その後も1980年代後半になるとパンク~ニューウェーブの新たなバンドが登場する.セックス・ピストルズ,クラッシュ,エルビス・コステロ,ポリス,バグルス,等があげられる.その後ではOASISが代表的か?
■ウェストコーストサウンド/ウェストコーストロック
1960年代以降に反権力志向が強いカリフォルニアのロスやサンフランシスコ辺りから発生した音楽で,フォーク,カントリー,ブルース,ロックンロール等のアメリカンミュージックをミックスした,のびのび開放感のある心地よさを特徴とする.名曲中の名曲にイーグルスの“Hotel California”が挙げられるが,起源はママス&パパスの“California Dreaming”やビーチボーイズのサーファーミュージックに求められ,ドゥービーブラザーズやアースウィンドアンドファイァー等に代表される.ベトナム反戦運動が高揚した1960年代後半には所謂ヒッピー文化を生み,サイケディック・サウンドの源流となった.1970年代~1980年代にかけてTOTOやVan Halen等のビッグネームを排出した.
■イーストコーストサウンド
ロックンロールの延長線上にあって,ブリティッシュ・ロックを追いつつ米国ルーツの影響を受けるバンドが米国の主要部である東海岸~中西部に生起した.エアロスミス,KISS等のハードロック系,BOSTON,ブラス・セクションを取り入れたブラス・ロックのシカゴ,KANSASのようなアメリカン・プログレ系もある.その後ではボンジョビが有名どころである.






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