10MinutesTVをお試しで観てみると,講師は一流揃いで,なかなかいい感じである.番組もそれなりに充実している.
京大名誉教授の中西輝政氏が云うには,新自由主義は1979年に始まったそうだ.この年ソ連がアフガニスタンへ侵攻する.英国でサッチャー政権が登場し,中国では鄧小平が改革開放政策を始める.米国はレーガノミクスである.間もなくソ連東欧圏は崩壊する.以来,1億総中流だった日本では三公社五現業の殆どは民営化され,個人商店はチェーン店やSCに変わって行く.新自由主義がもたらしたグローバリゼーションの波を受けて,どの国でも経済格差が拡大していく.
さて,新自由主義の時代はコロナパンデミックからウクライナ戦争で終焉を迎えたと云う.既に兆候は出ており,トランプ現象や習近平の共同富裕などは,グローバリゼーションに乗った勝ち組に対する不満を社会が抱えきれなくなっていることの現れと思われる.中露のデカップリングが進み,世界は3つに分断されるようだ.西側先進国の民主化グループ,中露の専制社会グループ,そしてインドなど中間的なグループである.ここで日本がやってはいけないのが二股外交だと云う.旗色を明確にせねば,民主主義は後退してしまう.世界は螺旋を描くように行きつ戻りつ,しかし全体としては決して同じ道を通ることなく,自由と民主主義の方向に向かっている.それぞれのグループは同じようには進めないと認識するのが肝要である.全体としてはそんな主旨だったと思う.
人間は自分の経験でしか未来を想像出来ないが,経験のない未来を想像するには歴史に学ぶしかない.歴史を軸とした人文科学を極めた学者先生のお話は,ぼんやり脳裏に浮かぶ断片的な思索を整理して体系化してくれる.朝飯前の時間が充実した今日の始まりである.

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