双生児研究によれば,発現する知能や学歴の影響要因の寄与は遺伝が5割,家庭環境が3割,学校環境が2割だという.能力に対する遺伝と環境の寄与を合せると9割に達する現実を親ガチャと言う.スポーツや芸術など一部の能力では遺伝の影響が7~8割に及ぶものもあるらしい.良い遺伝要因を持っていると,家庭や学校の環境が良くなくても高い能力を発揮する傾向がある.しかし遺伝要因が平均以下だとそうはいかないようだ.収入に対する影響も似たようなものらしい.しかも,環境の影響は歳とともに減少し,遺伝の影響が顕著になるという.
遺伝子研究が進むにつれて,こんなことも明らかになって来たようだ.20年前には分からなかったことである.しかし,学歴などというのは人工的に作られた学校制度を基にした尺度に過ぎない.本当の社会を生き抜くには多様な能力が必要である.自分の居場所を見つけて努力を続ければ,生きていく術はある.超要約すれば,それが処方箋というところだろう.問題は自分の居場所が見つかるか否かである.定年延長部分に突入し,居場所という文字が,あらためて気になり我に返る.

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