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文庫本:未来の年表

主として人口減少に伴う日本社会の未来を予測的に解説する新書本を手にした.人口減少社会に向かう日本国で生じる問題を業種ごとに取上げて解説してくれている.

奇しくも本日の報道によれば,昨年の出生数は約75万人だという.これが平均寿命に近い80年続くと日本人の人口は6000万人になってしまう.新書本は,概ねそうだよなと思いつつかなりの斜め読みで読み飛ばしたのだが,中には気づいていなかった事象もある.そして,大枠の方向性は,地方の限界集落は早々に引き上げて各地の中核的な街に分散的に集住する方が良いということだ.それでも,放棄しきれないインフラの維持のため,メンテナンス費用の工面に追われるらしい.寺社も維持しきれなくなっていく.地方の末端の社寺もさることながら,その上がりを食う本山も先細りである.坊主が支える京都の街並みも存続が危うい.職人や先端技術者,更には医師などの専門職が不足し,果ては国土の防衛力強化が必要となるなか,自衛官も不足するという.

尤も人口減少に伴う需要の減少をどう見込んでいるのかについては必ずしも十分な解説が無かったように思われる.人口減に伴う需要減は,自然共生の観点からすれば悪いことばかりでもない.そうは言っても,今とはかなり違う社会を迎えねばならないことは確かである.一極集中の東京都の人口も,まもなく減少に転じるようだ.生成AIやロボットが人間に代って生産を担うというが,経済成長の源泉である需要を生むだろうか?仮にそうでなければ,やはり経済活動も縮小に向かわざるを得ないのだろう.あわよくば精巧なAI搭載のアンドロイドとの婚姻に可能性があったとしても,出産をロボットや代替生物に任せるほどに遺伝子工学が発達する予感もない.人権や倫理の問題もある.心配していても仕方がないのだが,せめて心の準備ぐらいは済ませておくべきなんだろう.需要の減少に関する説明不足については,悪気はないのかもしれないが,やや扇動的に感じるところもあり,内容がどこまで信用できるのか疑問も感じる.

【参考1】地方の過疎地から順に街のサービスが消えていくところ,業種別に経営が成立つ商圏規模が示されている.出典は国交省の資料のようだが,どこまで信憑性があるのだろうか?我が経験則だと本屋は1万人に1軒が目安だったところ,近年は2万人に1軒ぐらいしか無いように思う.この資料では「書籍・文房具小売店」となっているので,都会の本屋のイメージとは違うのかもしれない.


【参考2】今日のニュースによれば,2023年の出生数は約75万人とのことである.自分の同世代は160万人ほど,ベビーブームのピークが約270万人で第2次ベビーブームのピークは約210万人である.年間75万人の出生数が平均寿命に近い80年続くと,社会増減を無視した将来人口は約6000万人と現状より半減する.



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