大阪日帰りひとり旅となる.この週末に図書館へ返さないといけない文庫本を,のぞみ車中で読み終える.著者はノンフィクション作家である.思いの外面白かったのは作家の文章力ゆえなんだろうか?
120歳以上生きたひとは史上稀だそうで,この辺が長寿の限界らしい.この最大寿命を伸ばすのは,かなり困難だという.しかし,老化を遅らせて最大寿命近くまで健康で暮らすことは出来ない訳ではないらしい.細胞の老化を防ぐ薬品等は,それなりにあるという.また,去勢などで生殖機能を無くすと個体の寿命は伸びる傾向があるそうだ.老化細胞をワクチンで除去する技術もあるらしい.しかし,ここで問題になるのは,老化は病か否かという社会的意識だという.病だという社会的認定が得られなければ,保険治療は出来ない訳だ.そして,難しいのは脳の老化である.脳細胞を新しいものに入れ替えると記憶が無くなるようだ.
我々の努力で補えるのは適切な睡眠時間の確保,それから生活習慣の改善ぐらいである.喫煙や飲酒を控え,バランスの良い食事を摂り,太り過ぎ痩せ過ぎを防いで,適度に運動する.そしてワクチン接種で感染症を防止するのが老化を防ぐ手だてだという.簡単なようでなかなか難しい.その結果,老化の防止に成功して健康寿命を伸ばすと,今度は長過ぎる老後をどうやって生きるかという問題が生じる.年老いても脳みそを使う方が良いらしい.老化は世代交代によって生存を長続きさせる生物の生残り戦略だという.ピンピンコロリの理想と現実を知ることができる一冊である.

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