最近では福島原発ALPS処理水の放出に無理筋の批判を繰り広げたりする中国政府の発想がどんなところに根差すのか?理解の一助となるかもしれぬとこんな本を読んでみた.
本質は,農村とエリートという対立図式の中で,文革期に農村への下放生活を送った若き習近平のマインドにあるようだ.そして,成上り気質の官僚による盲目的なゴマスリ,更には独裁政権のプロパガンダを容易に受容れる人民の無教養が拍車をかけているようだ.
中国国外の駐留国民を対象とする秘密警察を組織・活用し,非人道的な手段も厭わず言論の自由を認めない反政府活動の取締まり,最新のIT技術を駆使して人民の行動を監視・弾圧し,情報統制で偏った報道だけを人民に与え,諸外国にサイバー攻撃をしかけて情報を盗み,近代西欧の自由と民主主義の価値観を否定する.戦狼外交を繰り広げる中国とはそういう国のようだ.目的は世界の覇権,日本は格好の攻撃対象である.
動画サービスのTikTokには,中国政府の方針や中国社会のありようを無条件に礼賛する動画や,欧米先進国を面白おかしく皮肉る動画が溢れているという.動画は受動的なメディアなので,調べたり考えたりする自発的な行動が必要ない.無批判に動画を眺め楽しむ人民の洗脳に大いに活用されているようだ.そう聞いて戦前戦後の頃の主なメディアだったというニュース映画のことを思い出した.そういえば,日本でも,YouTubeに日本凄いですね的な動画が多い.所属する国や社会が素晴らしいものであって欲しいし,泥舟に乗っているなどと思いたくもない.動画が語るところが真実なのか否か?その先にどんな社会が待っているのか?そういう疑問や想像力を持たずに眺めることで気分が良くなって満足してしまう.そんな心理が入力情報の偏りを生み,ありもしない虚像を信じ,社会の分断を助長する.トランプの米国も同じことだろう.
願わくば,日本国民は少し利口な人達であってほしい.専制国であれ民主国であれ,覇権国家のやり口は極めて戦略的だから.

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