言語学者の今井むつみさんと秋田善美さんの著書である「言語の本質」という文庫本を読む.オノマトペをキーに,赤ちゃんや子供がどうやって言語を習得するか,言語はどうやって発展して来たのか?単なる記号ではなく身体感覚に繋がってなければならないと言われる訳,など言語の本質に迫る論説が述べられている.直感的には言語に対する考え方が変わる可能性を感じつつ読み進む.
ところで,本書で出題されていた10問のクイズである.知らない言語でも,当てずっぽで正解する確率が思いの外高い気がする.
①インドのテルグ語で丸いことを表すのは「チャトラスラム」と「グンドランガ」のはどちら?
②デンマーク語で近いことを表すのは「テット」と「ラント」のどちら?
③ベトナム語で柔らかいことを表すのは「メム」と「クン」のどちら?
④スーダンのカッチャ語で多いことを表すのは「イティッツリ」と「アダグボ」のどちら?
⑤エストニア語で静かなことを表すのは「ワイクネ」と「ラルマカス」のどちら?
⑥アマゾンのピダハン語で短いことを表すのは「ピッイ」と「チオイヒー」のどちら?
⑦パプアニューギニアのグラス・コイアリ語で汚いことを表すのは「ゴムゴ」と「イハ」のどちら?
⑧アメリカ北西部のネズパース語で重いことを表すのは「ヒテャーウィチ」と「ウィッハウィッハ」のどちら?
⑨アメリカ南東部のナチェズ語で明るいことを表すのは「マヨクプ」と「ペラルネケン」のどちら?
⑩ソロモン諸島のサヴォサヴォ語で黒と白の黒は「ボボラガ」と「セレ」のどちら?
自分は8問正解したが,概ね7割がたは正解するのだという.あてずっぽにも訳があるらしい.AIは人間のように言語を理解できるのか?まさに言語とは何かを探求する一冊である.
①インドのテルグ語で丸いことを表すのは「チャトラスラム」と「グンドランガ」のはどちら?
②デンマーク語で近いことを表すのは「テット」と「ラント」のどちら?
③ベトナム語で柔らかいことを表すのは「メム」と「クン」のどちら?
④スーダンのカッチャ語で多いことを表すのは「イティッツリ」と「アダグボ」のどちら?
⑤エストニア語で静かなことを表すのは「ワイクネ」と「ラルマカス」のどちら?
⑥アマゾンのピダハン語で短いことを表すのは「ピッイ」と「チオイヒー」のどちら?
⑦パプアニューギニアのグラス・コイアリ語で汚いことを表すのは「ゴムゴ」と「イハ」のどちら?
⑧アメリカ北西部のネズパース語で重いことを表すのは「ヒテャーウィチ」と「ウィッハウィッハ」のどちら?
⑨アメリカ南東部のナチェズ語で明るいことを表すのは「マヨクプ」と「ペラルネケン」のどちら?
⑩ソロモン諸島のサヴォサヴォ語で黒と白の黒は「ボボラガ」と「セレ」のどちら?
自分は8問正解したが,概ね7割がたは正解するのだという.あてずっぽにも訳があるらしい.AIは人間のように言語を理解できるのか?まさに言語とは何かを探求する一冊である.
正解)
①グンドランガ,②テット,③メム,④アダグボ,⑤ワイクネ,⑥チオイヒー,⑦ゴムゴ,⑧ウィッハウィッハ,⑨ペラルネケン,⑩ボボラガ.
①グンドランガ,②テット,③メム,④アダグボ,⑤ワイクネ,⑥チオイヒー,⑦ゴムゴ,⑧ウィッハウィッハ,⑨ペラルネケン,⑩ボボラガ.
要約を試みると,言語は身体感覚と繋がっていなければならないという言語学の記号接地問題に,オノマトペは大きな役割を果たしていることが第一である.
第二に,母語の音韻を基盤にして,抽象化された言語体系が築かれることである.更に,その複雑な言語の習得に欠かせないのが,人類にのみ赤ん坊の頃から備わるアブダクション推論という手法である.論理学的には必ずしも正しくない仮説を導き,観察によって修正しつつ,抽象化した概念を言語にする.その過程で気づきや知識が生まれていく.その推論のおかげで,他人の気持を類推したり共感したりすることができ,自然の法則を見つけることもできる.
これは個人的な直感に過ぎないが,オノマトペや音韻が知識の基層にあるのは,感情を司る古い脳が,記憶や理性を司る大脳新皮質の基盤になっている構造に似ている.聴覚は感情に直結する感覚なので,言語は感情と切り離せないのかもしれない.
話は本の主旨から離れるが,こういった言語の本質は,音楽にも当てはまりそうな気がする.オノマトペや音韻が言語の違いによらず似た意味に通じるのと同様,万国共通に同じ音楽を聞いて似た概念をイメージしたり共感したりすることができる.ベートーベンの音楽を聞いて共に似た苦悩の感情が生起したりする.音楽に込められた想いを感じ取り,あるフレーズを聞くと何故かソビエト革命などという極めて抽象的な概念を連想したりする.きっと言語と同じしくみが,音楽にも備わっているんだろうと想像する.こんなことについて,もう少し頭を整理して,よく考えてみたいと思う.

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